2017年4月29日〜30日
「第4回目 香Linkプロジェクト」が福島県南会津町で2日間に渡って開催されました!テーマは「ふくしまの『色』と『香り』について考える」。いよいよプロジェクトも佳境、ふくしまの香りを選んでいきます。
実は「色」は香りを選ぶにあたって、とても重要な要素です。 「レモン」と聞くと「すっぱい」「黄色」と直感的にキーワードが浮かんでくるのと同様に、香りを表現したり、逆に頭に浮かんだイメージや記憶から香りを選んだりするときに色を使うことがよくあります。 また、同じ色でも文化によって心理的にうける影響が異なることでも知られています。例えば、黄色が日本では一般的に活発な、楽しい色とイメージされるのに対して、欧米では異常、臆病なイメージを伝える色とされています。
福島県を中心に、主に東北から集まったプロジェクトメンバーたち。それぞれの体験や記憶や想いをもとに、これまでみんなで考えてきた福島から発信したいメッセージを「色」や「香り」に落とし込んでいきます。
今回の参加者は総勢30名。1日目の午前中は「戸赤の山桜×バリアージ舞踊」。自然の美しさと調和する舞踊の鑑賞とワークショップを通して、香りを言葉にして表現するということを体験しました。
今年は開花が遅く、ようやく咲きはじめた山桜。事前に配られた香りを嗅ぎながら、地元のおじちゃんおばちゃんも一緒に鑑賞します。
終わりに終わりに、地元の方も入ってみんなで記念撮影。
1日目にワークショップを行ったのは廃校になった学校をリノベーションして作られた、“そこに暮らす人々と共に純粋に何もない時間を共有するための施設”「やまざくら」。
やまざくらでは、まずメンバー全員が香りを嗅いだ印象、イメージを言葉にしていきます。その後、バリアージのダンサーがその香りから感じるイメージを言葉にし、踊りで表現します。
同じ香りを嗅いでも出てくる言葉は、性別や年齢、重ねてきた経験によって変わり、その感じ方や表現の幅広さを知ることができました。そして「感じた言葉や表現に正解はない」とワークショップを通して学びました。
夕方からは、会津のお米の美味しさと安全性を伝えながら、人と笑をむすび、全国を回っている「笑むすび」の山田みきさんを先生にお迎えして「おむすび」ワークショップです。 東京在住、会津喜多方出身の山田さんは、ご実家がお米農家。震災後、当たり前に身
近にあったお米と会津に、人を元気にし、
笑顔にするパワーがあることに気づいたそう。「手」は「氣」、「気持ち」が出る場所。そんな「手」をふんだんに使って作るのが「おむすび」。だから、お米のもつ力が人の氣をむすぶのだと山田さんは話します。
講義の後は、チームに分かれてオリジナルのおむすびをにぎります。
20種類以上の材料を自由な発送で組み合わせて、思い思いのテーマでにぎっていきます。カラフルで今までみたことがないおむすびたちが並びました。
普段当たり前のようにしている、見る、嗅ぐ、食べる、聞く、手でさわる、にぎる。
これらを言葉に置きかえたとき、体で表現したとき、味を想像したとき、私たちが経験してきたことや想い、大切にしてきたものが浮かび上がってきました。
2日目はいよいよ、ふくしまの色と香りを考えていきます。
香Linkプロジェクト2日目は朝の散策からスタート。 少し歩くと林の中に水芭蕉を発見!みんなすかさず香りをクンクン。
宿泊場所「ホシッパの家」に戻った後は、最高のお天気の中、縁側に腰掛け、広がる山や畑を眺めながら朝ごはん&朝ヨガ。
朝ごはんの後はいよいよ、ふくしまの香り選びがはじまります。
まずは、あらかじめ宿題としてメンバーたちが考えてきた「各色から連想するふくしまの場所、もの、コト」を見ながら「心理的印象」の言葉を書き出していきます。
次に、出てきた「心理的印象」の言葉をみながら、その言葉のイメージに合う色のトーンを選び、発表。
ふくしまの「赤」はあかべこにだるま、そして絆、「紺色」は会津木綿に新撰組、そして怒り。
どうして怒りが赤ではなくて紺なのか。どうしてこの黄色なのか、白なのか、緑なのか。発表からディスカッションへ自然に移行します。
そして、ついにふくしまの虹の色が決まりました。
色が決まったら、いよいよ香りを選んでいきます。
うんうん、と頷きながら、「あ〜なるほど」「どこかで嗅いだことある!」という声が聞こえるなか、「うわー!」というような驚きの声も聞こえてきます。
香りが香りが決まったら、各班から香りの発表です。
「猪苗代で足をジャポジャポしたときのにおい」 「ふきのとうのにおい」 「凛とした中にもちょっと古いお家の香り」 「繊細でかつ純粋な感じがする、正義感のあるような香り」
「五感をリンクさせる」その難しさと楽しさを体験し、その過程で沸き上がってきた感情や想いをそれぞれがぶつけ合った1日となりました。 言葉をみながら香りを嗅いだとき、色をみながら香りを嗅いだときとではイメージが変わり苦戦した班もいたようです。
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