みんなで考える町の魅力!
香りで“山口”をブランディング
山口県産 夏みかん精油ブレンド コンペティション

May 17 REPORT from HAGI
精油ブレンドコンペティション 最終審査レポート



町中が夏みかんの花の香りに包まれる5月中旬、萩市長をはじめとする来賓の方々をお迎えてして、山口県を代表する「萩産夏みかん」を使った精油ブレンドコンペティションの公開最終審査が、山口県萩市の熊谷美術館にて行われました。

テーマは「萩/山口を語るブレンド」。調香師を含む香りの専門家による厳正なる1次〜3次審査を通過した5名の入賞者の方々には、それぞれが精油ブレンドに込めた「萩/山口の魅力」をプレゼンテーションしていただき、選考委員と会場のお客様の投票で、県内5カ所の中から空間演出する場所を決定しました。



当日は、全応募者16名の作品である「夏みかんの精油ブレンド」が並べられました。来場者の皆さんはそれぞれの作品を香り、一緒にディスプレイされた、作品のブレンドコンセプトを熱心に読んでいらっしゃいました。


当日は、萩市市長をはじめとする来賓の方々をお迎えてしてプレゼンテーションが行われ、審査の冒頭では、この日のために内閣総理大臣夫人 安倍昭恵さんからお寄せいただいた入賞者への激励のお手紙が読み上げられました。

プレゼンテーションの持ち時間はそれぞれ3分。ご参加いただいた皆さんは、配布された入賞者のブレンドの香りを嗅ぎながら、入賞者の香りに込めた想いを聞き、それぞれ空間のイメージを膨らませていました。


会場の皆さんの投票によって、賞と演出空間が決まり、表彰式が行われました。
また、惜しくも最終審査から漏れたものの、高い技術が評価された方にはエアアロマジャパンより「技術賞」が贈られました。

市長賞

市長賞 / 加茂尚子さん
(ブレンド名「香るとき」)

演出空間:萩博物館
 
金子みすゞ賞

金子みすゞ賞 / 藤本綾子さん
(ブレンド名「萩Woman」)

演出空間:仙崎駅内観光案内所
 
熊谷五右衛門賞

熊谷五右衛門賞 / 藤田美穂さん
(ブレンド名「We Love萩」)

演出空間:熊谷美術館
 
萩市図書館長賞

萩市図書館長賞 / 荒石由紀恵さん
(ブレンド名「藍場の結えし香」)

演出空間: 萩市立 萩図書館
長門湯本温泉女将賞

長門湯本温泉女将賞 / 河村奈美さん
(ブレンド名「萩・浪漫志香」)

演出空間: 湯元ハイライトホテルふじ
技術賞

技術賞 / 須本愛子さん
(ブレンド名「繋志の風」)

技術賞 / 羽渕宏美さん
(ブレンド名「狂愚 -自分を信じて歩いてゆこう-」)


入賞者集合写真

プレゼンテーションを終えた入賞者の皆さん。
萩市長を囲んでパチり。

左から、
荒石由紀恵さん、河村奈美さん、加茂尚子さん、
エアアロマ調香師 平裕之さん、野村興兒 萩市長、藤田美穂さん、藤本綾子さん


最後に…みなさんの考える「町のブランディング」とは?
ある町の良さを広く伝えて行こうとした時、その土地の空気を吸ったことがない人にとって、町の雰囲気を想像することはなかなか難しいことではないでしょうか。しかし、その町を愛する人たちにはそれぞれの想いと町のイメージ、発信する言葉があります。それぞれの想いや言葉を、その町を連想させる「香り」と合わせて伝えられたら…小さな容器に入れて全世界のどこへでも持ち運べたら…ふわりと香った瞬間、言葉では表現しきれないあなたの町の「風景」を想像させてくれてくれるのではないでしょうか。


May 17 REPORT from HAGI&NAGATO
受賞ブレンド演出空間からレポート


精油ブレンドコンペティション最終審査で投票によって決定した演出空間場所。
それぞれの精油ブレンドオイルとエアアロマのAromaxが届き、香りによる演出がスタートしています。各演出場所からの写真と感想をご紹介します。

萩博物館
 



萩博物館
(ブレンド名「香るとき」)

萩の歴史・文化発信拠点として、吉田松陰、高杉晋作をはじめ幕末維新関連の実物資料を展示のほか、萩の文化、自然を模型映像を駆使して紹介。



萩博物館
 
仙崎駅内観光案内所



仙崎駅内観光案内所
(ブレンド名「萩WOMAN」)

金子みすゞのふるさとである仙崎のJR仙崎駅内にある観光案内所。みすゞ潮彩号などで仙崎駅に訪れる観光客の方に香りのおもてなしを。



仙崎駅内観光案内所
<仙崎駅内観光案内所からの声>
JR仙崎駅は、金子みすゞ記念館や青海島に来られる観光客の方が多く利用され、観光案内所で、こういった香りの演出を行うことができたことは、訪れる観光客の方のおもてなしにも役立っています。柑橘系が多く入り、女性に好まれやすい香りですので、観光案内所に来られたお客様からも好評です。また、地域の方々も香りを嗅ぎに観光案内所に足を運んでくださる方もいらっしゃいます。
長門市仙崎には日本に最初に流れ着いた夏みかん原樹(国指定文化財)があり、夏みかん発祥の地でもあります。金子みすゞの優しい詩と共に、多くの方に香りの演出を体感していただけると嬉しいです。
 
公益財団法人 熊谷美術館
 



公益財団法人 熊谷美術館
(ブレンド名「WE LOVE萩」)

国指定重要文化財の建物が並ぶ、萩藩の御用商人・熊谷家の蔵を改造した美術館。 代々伝わる文書類など、約3000点の貴重な資料を展示。



公益財団法人 熊谷美術館
萩市立  萩図書館



萩市立 萩図書館
(ブレンド名「藍場の結えし香」)

明治34年(1901年)阿武郡立萩図書館が萩中学校の敷地に創立開館したことに端を発する萩市立図書館。2011年3月に萩市立萩図書館が新しく開館。



萩市立  萩図書館
湯本ハイランドホテルふじ


湯本ハイランドホテルふじ
(ブレンド名「萩・浪漫志香」)

600年の歴史のある長門湯本温泉の中でも、音信川のほとりに位置する老舗ホテル。 柔らかく優しい泉質が特徴で、特にとろとろの美肌の湯が人気。



湯本ハイランドホテルふじ

May 17 REPORT from HAGI
ワークショップレポート


精油ブレンドコンペティションの発表が行われた日、「萩のブランディング」をテーマに3つのワークショップが行われました。
タイトルは「香りとアートのワークショップ」。
テーマに合わせて、「香り」「踊り」「萩焼」の特別講師3名をお招きし、3通りの視点から萩の魅力を見つめました。



① 香りの視点より
「香り」のワークショップでは、萩で夏みかんの精油を生産している大井緑さんとエアアロマの調香師とでトークセッションを行いました。
毎年5月は、萩の町全体を夏みかんの花の香りが包み、町中どこを歩いていてもほのかに甘い香りがします。しかし、その夏みかんの花から精油を抽出できるのは、5月のたった2週間のみ。しかも、摂れるオイルというのが、驚く程少量なのです。
夏みかんをはじめ、日本にはたくさんの誇れる香りがたくさんあります。精油生産者と調香師の目線から、和の香りについて、また将来の展望について語っていただきました。

<夏みかんの花の精油について>
ワークショップ前日、エアアロマスのスタッフ達は大井さんの抽出作業に参加させてもらい、夏みかんの香りのベースとなる精油の生産過程を体験しました。夏みかんの花を二時間かけてバケツ一杯に摘み、その花を全て水蒸気蒸留機に入れて水を足し、蒸気が出てくるのを待ちます。大井さんによると、蒸留が終わるまで3時間かかるとのことです。
3時間後、ふたを開けてみると、水蒸気蒸留機によって摂れた精油の量は僅か2ミリリットル。こうして「摘んでは蒸留」の作業が繰り返されるため、夏みかんの花が咲く二週間は、ほとんど寝る時間もないとのことです。現在、夏みかんの花の精油は入手困難に陥っていますが、その裏にはこのような大変な苦労があったのです。(お花摘みの様子はエアアロマのFacebookからどうぞ)



② 踊り(アート)の視点より
「香りとアートのワークショップ」の第二部、「踊り」の特別講師には、東京で活躍する舞踊団「バリアージ」創立者の舞踊家Chie Noriedaさんをお招きしました。
バリ舞踊とモダンダンスをミックスしたオリジナルのジャンル「バリアージ」は、カタチだけではなく感情を大切にする踊です。「香り」もまた、人間の感情を刺激し、心を揺さぶることで知られています。香りも踊りも、感覚を研ぎすませて見つめれば、想像もつかない感情と出会わせてくれます。

香りが持つ豊かな表現力と、踊りとの相乗効果について語った後に「夏みかん」の香りを即興の踊りで表現してくれました。皆さんは、お手元の「夏みかん」のムエットを香りながら、ぐっと引き込まれていく様子。

踊り終わると次は、香りのついたムエットが2枚ずつ配られました。ひとつは黒、もう一つはパープルの印がついています。2つの香りのうち、どちらかをChieさんが即興で踊り、お客様に「当てて頂く」とのこと。香りの名前はお客様にも明かされていません。
踊り終わった後、部屋のほぼ全員が出した答えは、黒。Chieさんの想像していた世界が伝わりました。但し、正解のない世界なので、あくまで自分が感じたことを大切に。お客様ひとりひとりが「心の反応に気づく」ということを第一の目的としていました。
最後にバリアージの踊りの基本となるポーズを皆さんに体験頂き、ワークショップは盛大な拍手で終わりました。


③ 萩焼(アート)の視点より
「香りとアートのワークショップ」の 最後は「アート編〜萩焼〜」です。
ワークショップ全体のテーマが萩という町の魅力を見直し、その素晴らしさを広く伝える方法を考える(ブランディングする)というもの。萩を語る時、やはり萩焼は外せません。
会場にもこの日、貴重な作品の数々が運び込まれました。自然光に当たるように縁側に並べられた作品の輝きは、誰をも魅了します。この作品をお持ち頂き、萩焼の講師としてお招きしたのは、萩市の「やきもの・アートJIBITA」ギャラリーショップのオーナー、熊谷信力(くまがいのぶちか)さん。JIBITAでは、幅広い萩焼に加えて、全国から熊谷さんが魅力を感じた作品が美しく並べられています。

「陶芸の普及」と、それに伴う「文化的資質の向上」を、若手から発信したいと願う熊谷さんに、萩焼の歴史と魅力について語って頂き、 実際に作品を手掛けたお二人の作家もご紹介頂きました。
渋谷英一さんのうつわは、モノクロームで表現された流水の曲線が自然の情景をイメージさせるモダンな作品。まるでこの空間のために作られたかのような佇まい。
そして、萩焼で最も期待されている若手陶芸作家の一人、岡田泰さんの「日本海の澄んだ透明感」を表現した柔らかい水色のオリジナルの「淡青釉(たんせいゆう)」も大好評でした。


「夏みかんの精油」と向き合う大井さん、踊りで常に新鮮な表現を求め続けるChieさん、熱い想いで陶芸の新しい扉を開こうと日々歩み続ける熊谷さんの講座は、来場者の皆様を多いに楽しませ、学びと感動を提供してくれました。


May 17 REPORT from HAGI
参加者の声


ワークショップ後、「香り」「踊り」「陶芸」に触れた皆さんからの感想をいくつかご紹介させて頂きます。

「本当に楽しい企画でした。萩がますます元気になるように見えました!」
「知る楽しさを120%刺激されたワクワクの時間でした。」
「各分野で活躍する方々の熱いお話を伺うことができ、大変有意義な日となりました。好きなこと、得意なことに全力投球している姿を見ると、自分も頑張ろうという気持ちが湧き出て来ます。非常におもしろいイベントでした。」
「日頃、情報の世界に追いまくられる日々の中で、自分という感性・本能を見つめることができたのは大きな成果ではないでしょうか。」
「今日のワークショップは、新しい感性や香りの表現の仕方など、アロマは無限に広がって行くチャンスがあるんだなと思いました。」


May.17 REPORT from HAGI
まとめ


今回のイベントはAir Aroma Japan株式会社と、萩市をこよなく愛し、地元の情報を発信し続けている萩LOVEの共催で行われました。通常のブランディングとは一風違う、感性を通じての地域活性化を試みました。地元の方も遠方からお越しいただいた方も、それぞれが山口県の「物語」を香りで発信するというテーマでひとつとなり、県内の空間がこの日より、少しずつカラフルになっていく可能性を大いに感じているようでした。